賃貸物件を退去する際には、入居したときと同じ状態に戻すという「原状回復」をして退去しなければなりません。
原状回復にかかる費用は入居していた人が負担するのですが、どこまでが義務なのか、またどれくらいの金額がかかるのかを入居前に知っておきましょう。
そこで今回は、賃貸物件をお探しの方へ向けて、原状回復義務とはどのようなものなのか、また借り主が負担する範囲や費用についてご説明します。
賃貸物件の原状回復で借り主が負担する範囲とは?
原状回復とは、住んでいる間についた部屋の汚れや傷を、借りたときと同じ状態に戻して返すことです。
賃貸物件の契約の際には、敷金や保証金を支払うのが一般的ですよね。
退去するときの原状回復にかかる費用は、この敷金や保証金のなかから支払われ、修繕費を差し引いた残りが借り主に返金されます。
つまり原状回復にあまり費用がかかっていなければ、返金額も多くなるわけです。
そこで知っておきたいのが、原状回復義務の範囲です。
原状回復に関するトラブルは意外に多いので、どこまで借り主が負担しなければならないのかを知っておきましょう。
借り主が負担する範囲とは?
●鍵の紛失
●間違った使い方をしたために設備を壊した
●壁に穴を開けた
●引っ越しの際に壁や床に傷をつけた
●タバコのヤニでクロスが変色した
●掃除を怠りカビや汚れがこびりついた
このように、借り主が故意に穴を開けた場合や、過失によって損傷したものについては、その修繕費を借り主が負担しなければなりません。
一方日焼けでクロスや畳が変色した場合や、耐用年数が過ぎたために故障した設備の交換、家具を置いていたためにできた床の跡など、普通に生活していれば仕方のない傷や経年劣化による変色などの修繕費は大家さんが負担します。
賃貸物件の原状回復にかかる費用とは?相場はどれくらい?
続いて原状回復にはどれくらいの金額がかかるのか、いくつかの項目を挙げながら相場をみていきましょう。
費用の相場とは?
●ハウスクリーニング…15,000円から30,000円(ワンルーム)
●クロスの張り替え…40,000円
●床の張り替え…8,000円から10,000円
●浴室のカビや汚れの除去…10,000円から20,000円
ハウスクリーニングは、退去時にきれいに清掃してあれば借り主が負担する必要はありませんが、契約書に特約として記載がある場合は借り主の負担となります。
クロスや床の張り替え、カビの除去などは、問題ないと判断されれば負担する必要はありませんよ。