賃貸物件における瑕疵物件とは、いわゆる事故物件だと考える方が多いのではないでしょうか。
ですが、一口に瑕疵物件といっても、その内容はさまざまです。
そこで今回は、賃貸物件における瑕疵物件の内容を「心理的瑕疵」「物理的瑕疵」「環境的瑕疵」の3パターンに分けてご説明します。
これから賃貸物件の契約を検討している方は、ぜひ、物件を探す際の参考にしてみてくださいね。
賃貸物件における心理的瑕疵物件とはどのようなもの?
そもそも賃貸物件における瑕疵物件とは、物件に対して何らかの不具合がある状態のことをいいます。
さっそく、3つの内容ごとにみていきましょう。
まず1つめは、心理的瑕疵物件です。
心理的瑕疵物件とは、簡潔にいうと、精神的に嫌悪感を覚えるような物件のことです。
殺人や自殺・火災などの事故の現場となった物件や暴力団構成員が居住している物件などのことを指し、事故物件はこちらに分類されます。
とはいえ、内容次第で感じ方も人それぞれなので、明確な基準は存在しません。
このような物件は、多くの場合、近隣の相場よりも家賃が低く設定されているのが特徴です。
賃貸物件における物理的瑕疵物件とはどのようなもの?
続いて、2つめの物理的瑕疵物件についてご紹介します。
物理的瑕疵物件とは、建物や土地に重大な不具合がある物件のことです。
たとえば、
●雨漏りする部分がある
●壁がひび割れしている
●耐震性が基準値に達していない
●排管に詰まりがある
●土壌汚染している
●地盤が安定していない
などが挙げられます。
上記の心理的瑕疵とは異なり、物理的瑕疵は専門家の調査により、発見しやすいのが特徴です。
なお、日常生活の範囲内における経年劣化や損耗は物理的瑕疵には含まれません。
賃貸物件における環境的瑕疵物件とはどのようなもの?
最後に、3つめの環境的瑕疵物件についてみていきましょう。
環境的瑕疵物件とは、近隣の環境が原因で精神的苦痛を感じ、快適な生活に支障をきたす物件のことです。
物件によっては、心理的瑕疵につながるケースもみられます。
具体的な例でいうと、
●鉄道や高速道路における騒音
●工場からの煙や異臭
●火葬場や墓地が近い
●刑務所が近い
●遊戯施設が近い
●蜂やシロアリなどの害虫がいる
●不法投棄が多い
など。
環境的瑕疵も心理的瑕疵と同様に、人によって感じ方が違うため、明確な判断が難しい物件だといえるでしょう。
そのため、内見の際などに、周辺環境までしっかりとチェックしておくことが大切です。